シンプルだけど無表情なわけじゃない。
日常の食卓にするっとなじみ存在感を増していく。
2022.07.15
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若き現代作家、塚本友太
一目で好印象をあたえる好青年のように、シンプルだけど無表情なわけではなく、軽やかでシャープ。だけどどこか可愛らしくもある作品を生み出す塚本友太さんをご紹介します。
日常にスッと馴染み、育っていく
愛知県は常滑の近くに工房兼自宅を構え、作陶される塚本さん。
一見、軽快な印象と使い勝手なのに対して風合いが入りやすく、使えば使うほど貫禄を増していく“育てる系”。繊細に見える使い始めよりも、使っていくとどんどん深みを増し、その風合いが一層の存在感を放ちます。
柔らかく素朴な可愛らしさが、日に日に大人びていく
強烈な存在感というよりも、ずっと前からそこに居たかのようにスッと馴染む。単色で仕上げられているのに、その風合いには素朴さや素直さが滲みます。軽やかで優しいたたづまいが印象的ですが、繊細なだけじゃない、育てがいのあるところが持ち味です。
塚本さんの作品は、日々使っていくと貫入*(かんにゅう)が入っていき、次第に大人びた表情を見せ始めます。
塚本さんの作品ファンの方は、彼の作品の貫入模様の入り方や使っているうちに変化してくる様子がたまらないといいます。
*貫入=釉薬と素地の収縮率の差により生じる、ひびのような模様のこと
作風もさながら、ご本人からも優しい繊細さと正直さを感じさせます。柔らかな雰囲気と共にこだわり感もまとう、まっすぐな透明感のある好青年。モダンだけどミーハーじゃない、クールに見えてほっこり親しみのある絶妙なバランスで、なんとも憂いある作品作りで魅了する、注目の人気若手作家さんなのです。
こうも作品に現れるのかと納得してしまうほどに、ご本人の印象と重ねてしまいます。
これからどんどん味わいと共に魅力を増していくのでしょうね。
塚本友太(つかもとゆうた)
略歴
・1994愛知県岡崎市生まれ
・2017名古屋芸術大学卒業、同年より常滑市に移住、陶芸家大澤哲哉氏のアシスタントを務める
・2019武豊町にて築窯 活動中